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かなこ先生 気まぐれコラム

自育(じいく)その1

2022-06-15
オススメ

今回のテーマは「自育(じいく)」。

最近、研修で汐見稔幸(しおみとしゆき)先生から学んだ言葉です。汐見先生、NHKなど数々の教育番組にもご出演されております。

約10年前、私が第1子を出産後から見るようになったNHKの番組「すくすく子育て」に出演されていた汐見先生。

その頃から、この先生いいなぁ!とファンになっておりましたが、現在は「東京大学名誉教授、白梅学園大学名誉学長 など」日本の教育界を世界水準に引き上げようと尽力されている先生です。

参照:汐見先生プロフィールhttp://ikuji-hoiku.net/shiomi/

6月にオンラインで実施された汐見先生の研修をエンゼルIT保育園所属の保育士の先生全員が受講させていただきました。

その研修の中で、腑に落ちる~~~!!と感動した「自育(じいく)」について紹介したいと思います。

この幼児保育教育の世界にきて早10年目の私ですが、実は今回の研修で初めて「自育」という言葉に出会いました。

脳科学の発展で、子どもは大人の指示に従うから育つのではなく、自分で今の自分を乗り越えていこうとするから育つということがわかってきたそうです。そのことを「子どもの自己生成」「自育」と表現されるようになってきたとのこと。

~「これを知りたい!できるようになりたい!!」という自らの感情と結びついて得た知識やできるようになったことは、「これをやりなさい、何回も何回も練習してね!」とやらされて暗記した知識やできるようになったことよりも簡単には忘れない~

やらされてできるようになったことは、時間が経つと忘れやすいということがわかってきたそうです。

汐見先生:

「高校生の頃に学んだ三角関数、、、皆さん覚えてます??

sin(x+y)を今でも展開できる人は少ないでしょう!!?

「私はどうしてもsinカーブやcosカーブをデザインに活かしたい!!!だから勉強したい!!これを絶対できるようになりたかった!!」と思って勉強した人は、そう思わずにやらされてできるようになった人より長い期間覚えている。」

カナコ先生 心の声:「確かに~!!「sin(サイン), cos(コサイン), tan(タンジェント)」、、そんなのあったね~!!現在の私は完全に展開できません!」

私、実は理系畑出身。

そんな私ですが、中学時代は英語に興味があり、高校は文系の英文科に進学しようとしていました。

しかし、小学生のころから野菜育てや土いじり、川泳ぎや自然の中で過ごすのが好きな私の行動を見ていた父が、

「カナコは植物や自然が好きだから、高校は普通科に進んでゆっくり考えてみたら?

英語は、今後はどの世界に進んでも必要になると思うよ。」というアドバイスをくれたことが、その後の私の進路を大きく変えたと思います。

父のアドバイスが腑に落ちた私は、高校は普通科に進学しました。

高校進学の進路選択に悩んでいたティーンネイジャーの私ですが、意外にも’自分の個性’に自分自身が気が付いておらず、父の発言にハッとしたものです。我が子を観察して素敵なアドバイスをくれた父には感謝しかありません。

高校では「生物」「地理」好きだった私は、大学の農学部オープンキャンパスで見せてもらった稲のゲノムや基礎研究の紹介がツボにはまり、、、そこから分子生物学の世界へ進んでいきました。

高校時代に大学受験のため必死で身につけたsin(x+y)の展開術はきれいサッパリ完全に忘れておりますが(数学の先生、ごめんなさ~い!)、

大学の時に’学びたい!!’という感情とともに勉強した知識は、日常生活では一切必要ないのにまだ脳みその片隅に残ってますね~!!あら、不思議!!

中学時代から好きだった(けど成績はいまいちだった)英語学習も、細々と続けております。このコラムに書くのもおこがましいほど、細々と(苦笑)好きなことはゼロにはできず、、。日常会話では完全に使いもしない英単語でも意外と記憶に残ってるものもあるなぁ!あら、不思議!!!

そんな自分の体験も顧みると、やはり今回の汐見先生のお話された「自育」は大切にしていきたいな~と思うのです。

子どもたちの’個性’をよく観察し、個々の興味関心に沿って遊びや学びの環境をサポートしてあげることはきっと子どもたちの成長にいいだろうなと思います。

子どもたちの興味関心に寄り添える教育保育環境の設定について、ソフト面とハード面について職員一同これからも日々勉強と実践を重ねていきたいと思います。

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